…嘘?

「バレたか?」

家紋さんの突っ込みに、主任はベロっと舌を出した。

「装飾が多すぎだ。しかも最後のギターのくだりは完全に家なき子のパクりだ」

「ならこれはどうだ?亡くなったおじぃさんの絵を展覧会に出して、絵の勉強が出来る事になったが、吉報を知らされぬまま意地悪な大家に追い出され、セントバーナード犬と共に教会へ…」
「それはフランダースの犬」

「パトラッシュ…大好きなパトラッシュ…ルーベンスの絵はどこ?…」
「探すな。無いから、ここには無いから」

何をテンポ良くノリ突っ込み漫才してるんだあ!!

「桜田さん、笙の話を信じない様に」
ビクッとした。

「あはは……信じる訳…無い…ですよ」
無理に笑ってみたけど、乾いた笑いになってた。


「信じたんだ?」
「ああ、あれは信じたな」
「騙されたって顔してたもん」
「涙ぐみそうだったぞ?」

っっ――?!ギャラリーうるさいなぁっ!!

「信じてませんっ!!」
ビジュアル系とジャニーズ系に向かい叫ぶ。

「とにかく!何にも知らない会ったばかりの人と結婚はできませんからっ!!」

「なら、お互いを知ればいいんだな?」

…ヘ?

「まずは…俺から全てを見せよう」