それまで部員として、同級生として最低限の会話しかしたこと無かったオレ達。

けれどアイツの演劇をするところを見て、コイツは将来化ける!…と、思ってしまった。

だから推薦して、何とかムリを通して、抜擢されて…。

そこからは輝かしく主役人生だ。

演劇部は大会や校内の行事の他にも、時には街に出て公演もする。

すべてコイツが主役で、全てが成功を収めている。

…だからだろうか。

コイツがこんなんでも、周りは平気で受け入れるのは。

「相変わらず冷たいなぁ。この間の舞台、俺良かっただろ?」

「…それは良かったと認める。だからと言って、キスしていい理由になるか!」