彼岸花の咲く頃に

何から何まで。

終始、狐に化かされ続けていたかのような長い一日が終わる。

「やーれ、くたびれたのぅ」

ググッと背伸びをする姫羅木さん。

悪狐と一戦交えていた時の凛々しさは消え、今はもうスーパーで見せていた、緩みきった表情に戻っている。

「久方ぶりに神通力を使うたら疲れたわ…千春、わらわは稲荷寿司が食いたい」

「え…」

そうは言われても困る。

「姫羅木さん、今日の分の稲荷寿司はもう食うたでしょう。店に戻っても、もう稲荷寿司は残っとりゃあせんですよ?」