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一人戻って来た湖はひどく閑かだった。

隣に暖かさが足りないだけで、
オレは上手く笑えない。

鈍色になった世界を見て、
初めて出会った時の彼女の瞳を思い出した。

キミもこんな気持ちだったんだと、その時オレは初めて知った。



あぁ、こんなときですら考えるのはキミのこと。

元気になっただろうか。

笑ってくれているだろうか。

泣いたりしてないだろうか。

また綺麗な黒髪になっただろうか。

キミはオレの世界の中心で、

オレの世界そのものになった。

















同じ思いを抱いたまま、

世界のどこかで、

オレ達は覚えたての愛を歌った。




星屑のようなオレ達は、

世界の摂理に抗う術なんて持っていない。

それでも、

いつか、

東の空にキミと約束した星が生まれたら、

迎えに行くから。





冷えた体を、湖に投げた。

星が孤独を暖めて、

届きそうな空に愛を見上げた。










END...