―陸side―



「陸?」
急に誰かに呼ばれ振り向いたら、そこにいたのは元カノの『西山 春菜』

「春....」

そういうと春は顔が明るくなった。

「やっぱり陸だよね!?」

前の俺ならきっと春と再会して喜んでいただろう。

だけど今は....
「陸?」
「彩乃....」

そう、今は彩乃がいる。春には会いたくなかった。


そして久しぶりに春を見たのは今日が初めてじゃなかった。


前に彩乃とデートした時の帰り地元の駅の人込みの中にいたのは春だった。
俺は意識がとんだように春の方をジッと見ていた。


彩乃が俺を呼んでいたことも知らずに。