私は電話を繋げたまま、駅前に向かった。

そこで小物屋に入る。

「あら、マカさま。いらっしゃいませ」

「お嬢様、いらっしゃい」

「ああ。私に構わず、仕事を続けてくれ」

表通りに面する2階建ての小物屋は、ミナの好きそうな可愛いデザインが売りだ。

しかも私の血縁の者が経営している。

ソウマのところとは違い、ちゃんとしたショップだ。

私は人気の少ない2階に上がった。

「昨年はパワーストーンのネックレス、一昨年はラインストーン付きのコンパクト。今年は何にするかな?」

『結構可愛いの選んでるんだね』

「ミナが好きなんだ、そういうの」