『あっ、オレはハズミって言うんだ。よろしくね』

………。

………………。

………………………。

「幻覚か…」

『えっ、イヤっ、違うよ! オレはちゃんとキミのケータイの中にいるんだって!』

しかも会話まで出来る。

酷い幻覚だ。

疲れているんだな。

「さて、授業に遅れる」

私は再びケータイを閉じ、足早に音楽室に向かった。