「ああ。…くたびれた」

そのままリビングの長いソファーに倒れ込む。

「まあマカ様、お着替えもなさらないうちに」

「脱がしてくれ」

カエデに両手を広げて見せると、ヤレヤレと言ったカンジで制服を脱がせてくれる。

「高校三年生にもなって、情けないですわね。来年は当主になろうというお方が」

「現当主のジジィだって、女達に着せ替えしてもらっているだろうが」

「…否定はしませんケドね」

どこか遠い目をしながら、カエデはレイラが持ってきた浴衣を着せてくれる。

私は普段から和服を愛用していた。