「行かないよ」

「行って良いってば!」

わたしは目を覆っている手をはがした。

「用意、してきたんでしょう? もったいないわよ」

彼はわたしがこういう行事に参加できない時、自分も参加しない。

ずっとわたしの側にいてくれるけど…いつまでも迷惑をかけられない。

「行かないって。…お前が行けないのに、俺だけ行っても仕方ないだろう?」

「アンタはわたしと違って、クラスに友達いっぱいいるんだから、行けば楽しいわよ」

「楽しくないよ」

「何でよ!」

思わず怒鳴ってしまう。