ユウスケと出会ったのは、合コンだった。付き合って一年の彼氏に、他に女がいたことがわかって、別れたころだ。

引きずる私を無理やり友人が参加させた合コンで出会った。

初対面の印象は軽そう。それだけだ。
明るい色の長めの髪に耳にはいくつかのピアス。かっこいいと言えばそういう部類に入るだろうとは思うけれど。

そんな軽そうな見かけに、思いもよらず社交的で、みんなに話し掛けて、盛り上げていた。優しい人なんだろうなとおもったけれど。だからこそ――パス、そう思った。

顔や姿は全く違うけど、元カレにかぶる。それが嫌。
やけに盛り上がる合コンがなおさら私を冷めさせて、一人焼酎を飲んでいたら隣に腰を下ろして声をかけてきた。


「どうした?体調悪い?」


やけに馴々しい男。だけどその顔は本当に心配そうでそれが余計に自分を惨めにさせる。

何もかもが嫌で、面倒になって、合コンだっていうことを気にもせずに「振られたからよ」と言い出してしまった自分。

今思えば多少酔っていたのだろう。

彼氏の、いや元カレの愚痴を思う存分吐いた。愚痴れば愚痴る程にお酒はすすみ気が付いたらベッドで、朦朧とした意識で、抱かれてた。

それから、週に二回くらいのペースでやってくるユウスケ。
いつも、いつもお酒の匂いを漂わせながらやってきて、私はお酒と、ハイライトの苦い匂いに抱かれる。

断ればいいのに、一夜だけの過ちだったと忘れたらいいのに、体を重ねてくるこの、正体不明な男なんか、追い出せばいいのに。

抱かれるのは寂しいから。
本当なら、元カレが半同棲のようにやってくるはずだったこの部屋に一人は寂しいから。

それだけだ。

きっとユウスケにとっても私は都合がいい女なのだろうけれど、きっとお互い様。


「俺のこと、本当は好きなんじゃないの?」

「嫌いよ」


暗い部屋でそう言うのは毎度のこと。