TWILIGHT SLIDER

夕夜はそれを手に取ると、メモに書いてある文字を読んだ。

『ありがとうございました　大村』

そう書いてある文字はとてもキレイに、丁寧に書かれていた。

八神のところへ帰ったんだろうと思った瞬間、夕夜は心配になった。

彼から暴力を受けていないだろうか？

取り調べも終わって、家に帰ってきているかも知れない。

夕夜は携帯電話を手に取ると、華の自宅にかけた。

無機質な機械音に夕夜はじれったさを感じた。

（早く出てきて）

心の中でそう呟いた時、ガチャッと機械音が切れた。

「はい」

華の声が電話越しに聞こえた。

「もしもし、大村さん？」

夕夜が声をかけたら、ブツッと電話が切れた音がした。