決めると心が軽くなっていた。 二人が傍にいるから、平気だと思えた。 茨の後に服を着たまま浴室に入った。 スカートのポケットに手を入れる。 目当ての物を掴んで、取り出した。 カッターだった。 涙が溢れた。 少しだけ声を押し殺して泣く。 私はスッとカッターで、手首を切る。 その腕を湯船に浸からせた。 バスタブの中のお湯が、紅く染まっていく。 私、楽になれるんだ…。 そう感じる。 死の先には、喜びはないけど、悲しみもない。