ロシュツ卿はオレのまっとうな抗議を鼻先で受け流し、胸を張って反論した。
「何を言うのかね。ちゃんと着ているではないか。いくら何でもレディの前で礼節を忘れるほど私も落ちぶれてはいない」
「寝言を言うのも大概にしろっ! 赤ビキニ一丁のどこに礼節があるんだ!」
「大事な部分は隠してある!」
お願いですから仁王立ちでネジのすっ飛んだ主張を大真面目にしないで下さい。
どう反応しようか考えあぐねていると、絵理がオレを制止した。
「陣よ。一体何を興奮しているのだ。そなたらしくもない。落ち着くがいい」
絵理サマこそ何でそんなに落ち着いていらっしゃるんデスカ。
「レディ・エリの言うとおりだ。落ち着いてティータイムにしようではないか。
せっかく君が淹れてくれた紅茶が冷めてしまうよ」
二人にたしなめられて、オレは渋々感情の矛を引っ込めた。
もやもやとした不満はいつの間にかどこかに吹き飛んでいたが、その代わりに今まで生きてきた十九年の中で培ってきた常識というものの再構築を迫られた気分だった。
「何を言うのかね。ちゃんと着ているではないか。いくら何でもレディの前で礼節を忘れるほど私も落ちぶれてはいない」
「寝言を言うのも大概にしろっ! 赤ビキニ一丁のどこに礼節があるんだ!」
「大事な部分は隠してある!」
お願いですから仁王立ちでネジのすっ飛んだ主張を大真面目にしないで下さい。
どう反応しようか考えあぐねていると、絵理がオレを制止した。
「陣よ。一体何を興奮しているのだ。そなたらしくもない。落ち着くがいい」
絵理サマこそ何でそんなに落ち着いていらっしゃるんデスカ。
「レディ・エリの言うとおりだ。落ち着いてティータイムにしようではないか。
せっかく君が淹れてくれた紅茶が冷めてしまうよ」
二人にたしなめられて、オレは渋々感情の矛を引っ込めた。
もやもやとした不満はいつの間にかどこかに吹き飛んでいたが、その代わりに今まで生きてきた十九年の中で培ってきた常識というものの再構築を迫られた気分だった。



