どの位の時間が経ったんだろう。 栞がゆっくりと瞼を開ける。 そして、焦点の定まらない視線を右に左に泳がす。 また目を閉じ、再びゆっくりと目を開ける。 「栞っ!?大丈夫かっ!?」 思わす掛けた声に、栞が俺に視線を移す。 「栞?」 無言でこちらを見つめる栞。 「あ…の…」 栞が、かすれた声で俺に話し掛けた。