出会ったのは、冬のこと。
私は、滝の下で歌う小柄な少女を見つけた。
互いに何も言わず、歌う者と聞く者の繋がりは、友という関係に移るまでに大して時を必要としなかった。
「私はね、この雪が大好きなの。水も、雪も、風も。この世界は、とても美しいわ。」
彼女は、誰よりも世界を愛し、愛された。
穏やかに微笑む少女は、歌を大地へ毎日捧げた。


限られた命の彼女。

悠久の時に生きる私。


別れは、必然であったはずなのに。