六花伝

「人と酒を飲むなど久方ぶり。」
「神は、何故人の姿を。」
「美都に合わせてやったまでのこと。」
酒を飲みながら、神をちらりと見た。
鳥肌がたった。
神は、それほどまでに美しかった。
翡翠の色の衣もよく髪の色に映えている。
「神。美都が気に入ったのか。」
「ああ。孤独の中に我は長年過ごしてきた。神は、出雲に集ったとて独りなのだ。狂いそうな時。壊れた神々も数多く。共に生きてくれる者など居ないと思っていた。」
「美都は、生きると言ったのか。」
「あれは、全てを終わったものとして受け止めていた。だが、他の少女達のように我を拒絶しなかった。」
つまり、受け入れたのか…。
長の考えは、確かに計画通りに運んだわけだ。
風が二人の間を吹き抜けた。