数えで六つになった年に両親は他界してしまった。
親戚に、あたしを引き取る余裕がないことはすぐにわかった。
通夜の夜に響いた言い争いと、冷たい目。
泣いても、泣いても、誰もあたしを見ようとしない。
いらない子 だと、実感した。
大勢いた親戚は、葬式が終わるとみんないなくなり、お母さんのお嫁入り道具のたんすも、着物も、みんな無くなっていた。
からっぽの家に独りで残された後は、おぼろげにしか覚えていない。
ただ、お腹がすいて気持ち悪くて、涙も出なくなった。