「それでどうしたの?」 私は旅行鞄をリビングのテーブルの上に 置いて、中の荷物を取り出しながら 麻衣に訊いた。 「何が?」 麻衣はすっとぼけた声を出した。 「何がって私に何か用があって来たんで しょう?」 「用って程のものは何も無いんだけど……」 「えっ?ただ遊びに来たの?」 「そういうわけでもないんだけど・・・」 麻衣にしては珍しくはっきりしない口調だ。