『か、海斗くん?』



とりあえず呼んでみる。




『呼び捨て、がいい』




『海斗』



私がそう呼ぶと、満足そうに笑った。


私もつられて微笑んだ。



『…─ほら、行くぞっ』



差し出された手に、素直に頼る。


海斗の手は、大きくて、熱を持っていた。