『さくらは、長所ならぬ良い所が、人に非常に好かれる所がある』 『な、無いわよ……』 人に好かれないわよ。 クラスには馴染めないし、 海斗とは喧嘩ばかりだし、 秀くんにも拒絶されるし、 良い所なんて見当たらない。 拓に好かれてさえすれば良い、と思っているもの。 『けれど、さくらは染井吉野のように有名に成らなくて良い。周りに好かれなくて良い』 ようやく、拓の胸の内に咲く小さな不安の芽に気付く。 気付くけれど、なんだか嬉しい。 たまらなく。