『さくら、お前は染井吉野になど成るなよ?』 『え?』 なんで、と眉を歪める。 貴方が一番好きな桜、染井吉野に成ってはいけない? 途端に、胸が苦しくなる。 不安が胸に巣食う。 『な、なんで?』 簡単に揺らいでしまう。 貴方の一言で。 私は、完全に貴方の手の内に居る。 感情さえも、左右される。 そうなってしまうほどに、貴方に溺れきっている。 私の不安そうな顔を見て、いつも変わらぬ笑顔で返す。 そっと、私の髪に触れる。