『さくら?それって……』 『ええ。私の父と母よ。初めて旅行に行った時の写真なの』 最初で、最後。 私の声色を読み取ってか、拓はそれ以上に問いはしなかった。 拓の、そういうところも私の助けになってる。 確実に。 『会いたいな、さくらのご両親に。正式に願いたい』 何を?、と聞かずとも分かる。 拓の顔に、少し不安が滲む。 よく見なくては分からない程だけれど。 『大丈夫よ。私は必ずあなたの元に───』 語尾を遮る、甘いキス。 不安にならなくとも、心配することなど、必要ないのに。