その言葉が意味することは、なんとかなく分かる。 けれど鋭い銀が突き刺さらないのは、その柔らかい笑顔ゆえ。 まるで、言葉の意味が真逆に聞こえる。 『俺の大好きな場所だから。誰にも言わない秘密の場所』 それを、私に言ってしまってるわよ? そう思って、クスクスと笑う。 『秀くん、またね』 『もう来ないで』 秀くんの本心は良く分からないけれど、とにかく少しは仲良くなれたと思う。 ─────白詰草。 “私のものに成って” 思いもしなかったわ。 まさか、この花言葉を、また貴方から聞くなんて。