『白純美が欲しい』 もう一度、繰り返した。 さっきよりも、はっきりと。 その両手は、既に私に触れている。 その手に、捕らえられている。 『あげるわよ…だって私は、あなたの───』 貴方の桜、なんだから。 口を塞がられる。 柔らかい、桜で。 慈しむように、何度も。 その愛を、叫んで。 その手に堕ちる私も、大好きよ、と身体中で叫んで。 ───夕闇に呑み込まれる。 桜も、同じように夕闇の手に堕ちていった。