しとしとと雨が降る。 あたしは、雨が嫌いだ。 この醜い感情が、雨の虚しさで、地の底まで落ちてしまうから。 午前7時16分。 重たいドアをゆっくりと開けると、目の前に真っ白な教室の光景が広がった。 教室には、誰一人としていない。 ふと四角い窓に目をやると、一枚の汚れた体操服が目に入った。 その体操服は窓の鉄格子に、乱雑に置かれていた。 体操服の持ち主は、 “海野モモ“―。 あたしの名前だ。