俺は何も見なかった。 そう言う事にしよう。 何故か危険を感じた。 まるで、これから起きる事を暗示するように。 この時に気付くべきだった。 気付いて、ちゃんと話を付けて、解決しておけばきっとあんな事にはならなかったんだ。 俺は屋上を去った。 後ろから声がした気もするが、それは知らんぷり。 今はただ、ここから離れたかった。 こんな自分勝手な俺。 これを見ていた奴が居たなんて、今の俺に知るよしはない。