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そして



私の携帯の電源を落とし後ろに放った彼は



ポツリと言った




「要は7月の皆既日食は見たか?」


「・・・・・」


無言で首を横に振る私



(なんで 今 そんな話・・・)



「そうか・・俺は、見た」





「要の誕生日の翌日・・・」




「月が 太陽を 隠した」





赤信号で車を停止させた彼は


悲しげに私に笑いかけた




「俺も太陽を隠してしまいたい 誰にも見られないように・・・」





車のエンジン音が



やけに大きく響いていた