比呂也君が促す



声だけを聴いてると


とても優しくて


穏やかで




倒れるタカラを踏みつけてる人が言ってるとはとても思えない



ガチャ


私は震える手で車のドアを開けた




「・・・それでいい」




助手席に乗り込む私を確認した比呂也君は



タカラに更に暴力を加えた後



運転席に乗り込んだ




声を殺して涙ぐむ私をチラッと一瞥して



彼は車を走らせた