「…崎美 愁」 「はい」 愁が卒業証書を もらっている。 あたしが愁と 知り合ってから、 もう1年たつのか…。 3年になって初めて 知り合った人は 他にもたくさん いるはずなのに、 愁との1年は あっという間だった。 「…桜菜 茜」 「はい」 今、 この瞬間、 あたしは卒業したんだ。 愁やみんなとの 高校生活に、 区切りがつくんだ。 「卒業生、答辞。 卒業生代表、 崎美 愁」 「はい」 そして愁の答辞が 始まった。