外は相変わらず月の無い、薄闇の空。

榊の目の前に、学校の鐘がある。

1メートル近くある金色の鐘。

この鐘には<力>が込められていて、鳴らすごとに邪気を払う<力>を発揮する。

代々オカルト研究部部長が語り継いできた歴史。

この鐘の秘密は、他の部員達は知らない。

鳴らす者は、創立者の血縁者。

この土地に邪気が満ちぬよう、そして結界の力を強くさせる為に、鳴らす。

だが…120年という歳月はあまりに長過ぎた。

血は薄くなり、同時に<力>も弱くなってしまった。

しかし彼等は一生懸命に、祈りを込めて鳴らしている。

だが力及ばず…封話部ことオカルト研究部に力を借りている形になってしまった。