麗しのﾜｲﾙﾄﾞ ﾋﾞｰｽﾄ

【虎之助】



ムカつくんスけど。



新しい環境でまさか友達と騒ぎに行くなんて思ってなかったからそれは嬉しいんだけど…。



連絡のひとつもよこさねぇでこんな夜中まで帰ってこないとは思わなかった。



要するに俺は拗ねてる。



「なんでスーツなの!?ってかなにあの態度っ!!」

「うるせぇよ。仕事してたんだろうが」

「今ヒマなの？」

「終わったからお前の部屋行ったらいねぇし。ありえねぇし。なんで連絡ひとつねぇんだかわかんねぇし」

「心配してたの？」



イラッ!!



心配してたとしても言えるかコラ。



マジでムカつくからお仕置き。



「ひとりで帰ってくる気だったわけじゃねぇよな？」

「ダメだった!?」

「こんな夜に？女ひとりで？マジバカ？ってか普通、常識的に考えたら俺がしんぱ…」



っと。



危なく口が滑るとこだった…。



ムカつくから泣かせたいのに…。



チラッと隣を見ると喜んでやがるチビ…。



俺の気持ちバレたか…。