『リディア?!』

『リディア!!』


あいつとの回線が切られ、
数分と経たず、
制御室にバイクを進める。

異様な数量の、防犯カメラが
気にはなったが、
ゾラのデータ通りに順路をとり
そこへ到達した。


『旦那・・・
あんた、やれるのか?』

無線から、ゾラの
気遣うような声がする。

「ターゲットか?」

『ああ。アンタ、
出来るのか?』

リディアにやらせる
つもりだったんだがな。
来そうにないよな?っと
奴はボヤく。

「ああ。それだよ。ゾラ。
ターゲットって
どんな奴だよ?

あのバカ、データを
置いてきやがってな。
見てないんだ。」

時間の加減なんかで、
標的を知らずに現場に行く事は
それほど珍しい事では
なかった。


が・・・


『・・・見てねーのか?!

あのバカ
女々しい事しやがって』

ゾラが怒りを現にする。


「旦那、戻って来いや。
あのバカに、
ケツ拭かせるからよ。」

要領は得なかったが、
どうもモニカが、
何か、やらかしたということは
想像にたやすかった。