書籍化されない作品



「鍛えられる?」


「ヘコむから打たれ強くなるっていう意味。ケータイ小説の大賞だろうと、一般文芸社だろうと。選ばれない作品は選ばれないものだ。

ケータイ小説の大賞は恋愛しか選ばれない。読む人の年代が若すぎて難しい作品は読まれないのは当たり前。

結局それらは、認めたくないがための言葉だ。認めたくないとは自分の実力について。もうしかしたら、気づいてないのかもしれない。

書いた場所が悪かったと諦める前に、違う場所で挑戦するのを勧めるよ」


「あなたはしたの?」


「もちろん。六社ぐらいには送ったけど、全部落ちた」


「うそ……」


文字通り、驚いた


ケータイ小説だからと、彼の作品が書籍化しないのは“そのせい”としていたけど


結局はどこで書こうが彼の作品はその程度となってしまうのか