親子、 というには二人の年齢は近過ぎる。 かと言って、兄弟でもない。 「親戚の人」 一樹は、樋口を指差して言った。 樋口が咄嗟に理解出来ず当惑していると、 「もうすぐ三十になるってのに、 毎日だらけ過ぎていつまでも相手見付かんねぇの。 性格も言動も外見も親父くさいし、 とにかくモテなくてモテなくて…」 「悪かったなあ!」 否定せずにそう叫ぶと、 幸枝はふふっと笑った。