晴喜はつまらなそうに言った。 「どんな夢を見たんだ、秀」 一樹が訊くと、秀は眉根を寄せ、 「怖い夢……」 「だから、どんな夢かってのを訊いてんのよ」 晴喜が若干苛立ったように言うと、 秀は焦点の定まらない目で、不意に両手を伸ばした。