誰かを愛さなければ、と思った。 誰かに愛されなければ、と思った。 動かなくなった恋人を抱きしめながら、 誰か僕を愛して、と呟いた。 ……もう、この子じゃ駄目なんだ。 扉を叩く音が止んで、ドアノブが捻られた時、 部屋に光が差し込んできた。 そして、扉を開けた人間の驚愕と恐怖の悲鳴が響いて。 それから、僕は……。