青年は、下にいる晴喜の様子を確認せずに、階段を駆け降りた。 心臓が、ばくばくと鳴る。 動揺し過ぎている所為で、呼吸が苦しかった。 『晴喜を殺すな』 『晴喜の行動に口を出すな』 『晴喜をよく見ていろ』 きつく言われていた事だった。 二番目に関しては、今は無効だ。 三番目は、確保してからの話だ。 一番目。 ……晴喜を死なせてしまっては、駄目だった。