気持ちの悪いヒゲ面。何様気取りよ。 だが、ここで腹を立ててはいけない。 冷静に、冷静に。 晴喜は、カメラに向かって言った。 「誰か、彼に目隠しと猿轡を……。あ、やっぱり目隠しはいらないわ」 こんな人間は、自分が殺される恐怖を最後まで味わえばいい。 目を閉じてしまえばそれまでだが、それがせめてもの晴喜の罰だった。