ただ、それでもそのうち壊れてしまうだろうが、構わなかった。 壊れるまでは、一緒にいたかった。 これは、たった一人残った晴喜の『子供』だったからだ。 「……ヴェロニカ」 晴喜は名前を呼びながら、人形を抱き締めた。