しかし晴喜は、ふと立ち止まった。 廊下の先に、あの男がいた。 「晴喜……人形を、売るのか?」 顔を合わせる度に、またその話……。 どこで知ったのだか、情報の回りの速い事だ。 晴喜は、つんとした態度を取った。 「あんたには関係無いわよ。……村田」