一樹は、白いベッドの中で目を覚ました。 長い間眠っていたのか、 重力が何倍にもなって圧し掛かって来たように、 腕を動かす動作ですらも億劫だった。 腕に、注射針が刺さって、 それがガーゼやテープで固定されている。 点滴のチューブが、器具まで伸びていた。 透明な液体が、 ぽたっぽたっと一滴ずつビニールの袋の中に落ちる。 彼は、瞼を開けたり閉じたりを何度か繰り返してみた。