「あっあのね」

そのウワサはこうだった。

女子高校生の中に、人成らざるものがまじっている。

その存在は若い子の生気を吸って生きているらしい。

吸われたものは、1日は寝込んだままになる。

「…それはただ単に、学校を休みたい生徒が、口実にしているだけでは?」

「……かもね」

言っているうちに、自分でもそう思えてきた。

「まあ都市伝説なんてそんなものだろう」

「でっでも、ケータイの方は本当だと思うよ」

「しかし【解放】って何?キレるって意味?」

「…かな?」

自信無さげに答えると、マカはため息をついた。

「まっ、あんまり深入りするな。受験に必要無い話しなら尚更だ」

「分かっているわよぉ。いーじゃない、たまの息抜きぐらい」

「ミナは気が抜けている。もう少ししっかりしろ」

そう言ってマカはゴミ捨てに立ち上がった。

ミナは深く息を吐いた。

すると近くにいた友人逹に声をかけられた。

「マカは相変わらずそっけないわね」

「ミナ、友達してて疲れない?」

「そっそんなことないよぉ。マカ、面倒見てくれるしあたしの話し、ちゃんと最後まで聞いてくれるもん」