「あれほとんど大聖先輩のファンでしょう?」

「俺も入ってますから!!!」

「自惚れ気持ち悪い」

「苺~? いつからそんな子になっちゃったのかなぁ~?」


湊磨くんを無視して、体育館の入り口や2階に集まるギャラリーを見る。


確かにこっちを見てる気がするけど、忍ファンなんて少ないでしょ?


さっき絡んできた義姉だって、忍に引っ付くあたしが大聖先輩とも絡むから、ウザかっただけでしょ?


「あのギャラリーは大概忍目当てだよ」


そうそう、忍目当て……。


「なんですって!?」

「ウゼー。その話いらねー」

「寝っ転がってる場合じゃないわよ忍ぅぅう!!!!」


どういうことよ! 聞いてないわよそんな話!


「だから言ったじゃん、苺」


突然黄色い声と共に現れたのんに、視界が揺らいだ。


「っ……の゙ん゙ん゙ん゙~…」

「ちょ、泣かないでよ」


だって! だって!! だから言ったじゃんって、のんも燈磨も一部の女子に人気だって言ってただけじゃない!


「ギャラリー出来るほど人気あるなんて聞いてないわよぉぉぉお!!!」


手足をバタバタさせて泣きわめくと、のんはしゃがみ込んで頭を撫でてくれる。