「すっごいなぁ!って俺らも早く行かなきゃね。…………苺?」
「今の……」
「へ?」
腰を折ってあたしを見つめていたのんに掴みかかる。
「今の人、誰!?」
キョトンとするのんに相反して、あたしの胸はドキドキと高鳴っていた。
何今の! 誰あの人!
めちゃくちゃかっこよかった!
「知らないよー」
「…………」
「チャリ、電車ときて次はスケボーが白馬の代わりかぁ……今度は宅配ピザのお兄さんとかやめてね?」
プッと笑うのんに伸ばした手は、柔らかい頬をつねった。
「いたたたたた」
ちっとも痛そうじゃない上に可愛い顔は一切崩れないって、何なの!
「苺ー?」
ハァと短い溜め息をついて歩き出したあたしは、すでに消えてしまった“彼”になおさら深い溜め息をついた。
こんなにドキドキしたの、初めてなのに。



