「土下座しなさいよ透ちゃん!」
「はひ!? 苺ちゃん!?」
「あたしの忍になんてことするのよ!」
チビの透ちゃんに見下ろされるなんて嫌だけど、倒れてる忍から離れられない。
ギッ!と睨むと、透ちゃんは頭を掻いて笑った。
「忍ごめぇん」
何その締まりのない顔。謝罪の気持ちが微塵も感じませんけど?
「イテェだろーがぁ!」
突然忍が起き上がり、透ちゃんは「だからゴメンて」と、心底めんどくさそうに言った。口縫ってやりたいわ。
「ゴメンじゃなくね? スイマセンでしたの次に土下座じゃね?」
「スイマセンでした、土下座。でさぁ、瑠雨貸して?」
「お前、いつか痛い目みさせてやるかんな」
忍は立ち上がって、ジャージについた砂を払う。あたしは地面に座ったまま、3人を見上げた。
……忍。
「さっ! 瑠雨! 今日こそあたしと遊ぶ……ってちょっとぉぉお!?」
「サヨーナラ」
「うぉい待てコラ! お前のせいで俺の脳細胞死んだんだぞっ。つか話終わってなくね!?」
ねえ、忍。
あたし、まだ地面に座ってるわよ?
起き上がらせてくれるの、待ってるわよ? 見てよこの潤んだ瞳。



