逆転暴走シンデレラ





「…………」


お か し い。


「苺ちゃんだっけ? それ終わったらアッチのボールも拭いてもらっていい?」


おかしくない?


「ごめん苺ちゃん。ユニフォームの洗濯も頼んでいいかな」


何でシンデレラになる予定のあたしがバスケ部にこき使われてるのかしら?


「おー苺。部員分の飲み物買ってきてー」

「うるっさいわね! 自分で買ってきなさいよ!!!!」


体育館の隅っこでバスケットボールを拭いてたあたしは、勢い良く顔を上げて湊磨くんを睨む。


「コッワ! 忍の要件が妄想と違ったからって拗ねてんなよなぁー」


何言ってるのよバカじゃないの。

忍は部活終わってからあたしとイチャイチャする予定に変更したのよ。


そういえば放課後の体育館て部活動で使ってるんだったなんて、最初から知ってたわよ!


「……湊磨くんなんてバスケットゴールに頭から突っ込めばいい」

「倒れるから! それ頭に血ぃ上るから!」


うるさいわね。八つ当たりよ。


「とりあえずほら、お金やるから飲み物だけ買ってこい」

「イヤよ」

何であたしが。


ツンとした態度をとっていると、湊磨くん「じゃあしょうがないかぁ~」なんてわざとらしい口ぶりに変わる。