「あ……苺が霞んできた」

「ああ、シンデレラオーラが? ほっとけ」

「ほっとくなバカ!」

「つーか無いから安心しろ」


飴が詰まればいいのに今食べてる飴喉に詰まればいいのにホント全力で詰まればいいのに。


「苺、顔がコワいよ」

「黙らっしゃいくるくるパーマがぁ!!」


「きーっ!」と、のんの髪をグシャグシャにしていると、燈磨は呆れ顔で大聖先輩に話し掛けた。


「大聖くん何か用事? 悪いね、猛獣がうるさくて」

「ははっ! その可愛い猛獣に用事なんだよ」


ちょっとそこのふたり。誰が荒々しい肉食の獣ですって? 可愛いは許しても、猛獣は許さないわよ!


「苺に用事って何で?」


乱れた髪を直すのんを横目で見ながら、大聖先輩の答えを待つ。


「あー…えっとね」


――! まさか告白!?


言いづらそうに口元に手をもってく大聖先輩に、ドキドキと胸が高鳴る。


やだ! 大聖先輩には彼女がいるじゃない! ダメよ! あたしには忍がいるんだから!