ジッと見上げるあたしを、昼間と変わらずめずらしいものを見るような目で見下ろしてくる忍。


引いてやらないわよ!


「……お前もアレか。透と同じ部類」


絶対絶対引かないんだから! やっと見つけた王子様、諦めるわけないじゃない!


「王子様になってくれるでしょ!?」

「話聞けよ」

「なってくれるでしょ!?」

「お前に色気が出てきたらな」


い………色気?


ポカンとしていると、忍はフッと鼻で笑った。


「貧乳には興味ねぇ」


破廉恥!!


王子様は巨乳が好きなの? そうなの忍! あたしの乳じゃ足りないの!?



「片手に収まらないくらいはあるわよ!」


「ぶっ!」


何で吹き出すのよ!嘘だってバレたのかしら。


「それはそれは結構なこった。まあ、俺の理想とはかけ離れてるんじゃね?」


片手で収まらないくらいじゃ足りないって言うの!?