「大丈夫かよ」


奥二重の瞳があたしの目を見据える。その瞳に、胸の中心が焼け付いたような気がした。


「……おい、聞いてんのか」



見つけた。


あたしの、王子様。



「あたしの王子様になって!」


胸の前で拳を作ってズイッと迫ったあたしに、忍は目を見開いた。


綺麗。その瞳、あたしすごく好き。



「俺にかぼちゃパンツ穿けって? バカじゃね?」


…………ん?


首に手を当てて何事もなかったように欠伸をする忍に、次はあたしが目を見開く番だった。


王子様になってくれるでしょう!?
ていうかなりたいでしょう!?


「王子って言えばさぁ、白タイツもなくね? どこで売ってんだあれ」


そんなことはどうでもいいのよ!


「忍っ! 王子様になって!」

「呼び捨てかよ! いつそんなに偉くなったんだチビッ」


チビじゃない! 159センチあるんですけど!?