逆転暴走シンデレラ




小森 苺 15歳。


シンデレラになりたい、妄想好きの女の子。妄想の相手はもちろん忍。


4回目のクジに書いてあったのは、“シンデレラとして望む相手”でした。


ずっと、あたしばかり追い掛けていた気がしてたけど。忍が望んでいたのは、妄想していたシンデレラは、あたし。


迎えに来ない王子様。

愛の言葉ひとつも囁かない王子様。



シンデレラ。貴方とあたしは色んなことが逆だったけど、こんな王子様でもいいでしょう?


全力でぶつかった恋に、後悔なんてないわ。




「――ねえ忍、いつから妄想してた?」

「さあ。会った時からじゃね?」

「その妄想教えて! それに合わせて、あたしがグレードアップしてあげるっ!」

「遠慮しとくし、苺は妄想で暴走しすぎ」

「だって忍のこと大好きなんだものーっ!」

「街中で叫ぶのはやめるべきじゃね?」

「……つまり世界中の人に叫んでほしいの? 任せてっ!」

「ちげえよ! 待て、やめろアホ!」




繋いだままの手を引いて、忍と走り出す。言い争いながら、手を引っ張り合いながら。


それでも離れない手を引き寄せて、抱きしめて、キスをして。


0時の鐘が鳴るまで、踊るように。


鐘が鳴っても魔法はとけない。



ガラスの靴も、永遠の恋の相手も、見つけたから。





【Fin】